Story
ロードサイドに建つ祖父母・夫婦・子供3人、計7人家族の2世帯住宅です。
これまで祖父母が運営していた美容院を取り壊しすことで生まれた300㎡程の敷地です。
思い入れのある敷地に対し、シンプルでありながらも、家族同士の距離感を保ちながらも皆が一つ屋根の下、コミュニティーを育むことのできる空間設計が求められました。
建物スケール
7人家族の住宅となるため、比較的大きなスケールの住宅となるため、そのヴォリュームが街区に対して圧迫感を与えないよう、また、街路のスケールから突出してしまわないことを設計の初期段階から検討を行っていきました。
隣接する建物から建物の最高高さの上限を決め、また道路正面はできる限り低く、少し高い平屋のようなプロポーションを求めて建物スケールを決めていっています。
断面計画について
家族を包み込む大きな吹き抜けを持った空間と、正面の高さを抑えたプロポーションを確保するため、4寸勾配の大屋根をゆったりとかける建物形状を確保しています。
大きな大黒柱を設置し、それを頂点とした方行屋根を形作ることで、建物構成はできる限りシンプルな架構で作るよう意識し計画を行っています。大きく開けた建物正面にもバランス良く耐力壁を配置し、街路からのプライバシーを確保しながらも無駄の無い建物デザインを目指しています。
内部空間について
建物内部に入ると勾配を意識することで生まれた大屋根下に大きな吹き抜け空間が形成されています。
この吹き抜けに面し各部屋が並び、家族皆のコミュニティーが醸成されています。
天井は大屋根を支える木構造を積極的に表し仕上げとすることで、木陰のような気持ちの良い、クリアな環境が生まれています。
リビング南面には屋根の中に大きな空洞を設け光庭を確保することで、明るい光が年中生活空間に降り注いでいます。
Photo by Kai Nakamura
Photo by Kai Nakamura