Story
ある築24年のマンションが売りに出されていました。外装はえらくくたびれていて24年間修繕された履歴もありませんでした。
オーナーは建物の劣化の状況を見て手に負えないと考え、相場よりは十分に安い値段で売りに出していました。現地に赴き建物を見てみたが、表面上の劣化は確かにあるが、修繕できないほどではないと感じました。外壁の塗装、タイルの剥離、屋内階段のさび補修、屋上の防水補修、修繕にかかる費用を割り出し、その工事費を見込んだとしても、このマンションのポテンシャルを考えると十分にまだまだ運用できる力を持っていると考えました。
不動産の購入へ
様々な要因を考えた上、この物件も当社で買受けることを決めました。
試算してみます。
例えば修繕費用で500万円かかるとしても、このマンションは満室であれば年間400万円近くの家賃が生まれる設定になっているため、単純計算で1年あればある程度ペイできる算段。
立地も悪くありませんでした。近くには大型スーパーが建ち、工業団地もあります。
単身者用のマンションとなるため、派遣スタッフ等にとってはちょうど良い需要が生まれるのではないかと考えました。
また、この平面計画に惚れたという設計者目線での購入理由もありました。
細長い敷地に2枚の壁を道路に向けて設置する。その上で窓が乱雑に並ばないよう、限られた面積の中吹き抜けを確保し、それらを整理している。それら設計者の声が届いた気がし、このマンションを自分の手で蘇らせたいと考えました。
銀行にも相談し、十分廻る建物であることを理解していただき、融資を受けた上このマンションを自社で購入し、必要な修繕を行ないました。
満室物件を市場に戻す
このマンションは修繕の後早々と満室となり、3年間運用することで改修にかかった費用や購入するために必要だった税金、仲介料等の諸経費を十分にペイすることができました。
さらなる運用も考えましたが、その後、満室のまま購入したいという方に売却を行いました。
建物を資産と考え、良い方向性を示すことで、古い資産が生まれ変わった事例の一つです。