老後の生活を見据え、解体から新築へ/新築せんか 

Story

リノベーションといえば聞こえは良いですが、過剰にその言葉に振り回される必要はありません。古いものは大切にする精神は大切ですが、必要に応じ建物は解体してしまっても良いのです。
これはその事例です。
施主より依頼を受けたのは今は使われていない、かつて住んでいた生家を老後の住まいとしてリノベーションできないかといった相談でした。
敷地に行ってみるととても立派な、50坪を超える大きな住宅が建っていました。部屋数も多く、今後の老後二人の住まいとしては、スケールが大きく持て余すことが見えてきました。

既存母屋の平面図。建物面積は50坪を超える。






リノベーション計画から新築住宅の計画へ

内部もとても立派ではあるものの、備品の整理から間取りの変更までの全面改修までを考えると新築並に費用がかかる予想がたちました。
これらを整理し、打ち合わせを重ねることでこの住宅を解体し、新たに自分たちの理想のスケールにあった新築住宅をこの地に計画していくことで話がまとまっていきました。

敷地のポテンシャルを最大限に活かす

新築となればこの敷地の持つポテンシャルを最大限に活用することができます。
この敷地は街にひらけ、春には桜を眺めることができる公園の隣にあるにも関わらず、今ある住宅はその空間、景色に対して背を向ける形で建物が建っていました。
この状況を鑑み、この公園と一体になったような明るく人々が集まってくるような平屋の住まいを計画していきました。

結果的にできた住宅は、平屋でありながら大きな屋根を持つ、公園の東屋のような人々に開かれた住宅として完成を迎えることとなりました。

敷地と公園のつながりを表したダイアグラム。両者が大きな軒下空間を通してやんわりと繋がる。