新築計画から始まった築100年の蔵の改修/リノベーションせんか


Story

築100年の農業用倉庫を解体して新築住宅をという要望を受けました。
敷地に行くと、増改築を重ねた日華石を外壁に施した古い倉庫が。内部空間を見てみると新築では予算上生み出せないような大空間が広がっていました。
この大きな空間をそのまま住宅に転用したらどうだろうかという思いを持ちながらも、要望通り新築住宅で早速プランニングを始めていきます。
が、何案か提案はしてみたものの広いお庭空間を期待する施主も今いち感触が良くなさそう。。
思い切って計画を希望通り広げたい気持ちはありますが、この蔵の解体費用も相まって、コストの重荷が大きくのしかかってきます。

リノベーションでの提案

この状況を逆手に取り、思い切ってこの蔵を住宅としてリノベーションする案を提案しました。
この蔵の持つ大空間が施主の希望する明るいプライベートガーデンを担保してくれると考えたのです。
具体的には、生活のための建築としては大きすぎるので、必要に応じ減築、改築しながら、蔵の持つ大空間を生かし、プライバシーが十分守られた広いインナーテラスを確保しています。

既存写真。空間の特性を探ると同時に、構成を紐解いていく。
増築されたエリアを解体し、外部空間へと再構築していく。

計画から完成までは長い時間を要しましたが、新築では生み出せない、力強く、また大きな気積のある大空間を持った住宅が完成しました。
今あるストックを最大限に活かした築100年の石蔵をリノベーションした事例です。