未来を創造する繋がりの森の提案/都市の中の木造事務所ビル



Story

あるロードサイドに提案した、事務所兼二世帯住宅の提案です。
施主はこの建物を通して企業ブランドを世界に発信していくことのできる建築を望んでいました。
その中で、そこに関わる人や環境、そのすべてが豊かであり続けることを考えることのできる建築を目指し計画を行いました 。
自然のように豊かで、それをあるがままを表現すると同時に企業ブランドの発展につながるような建築 。
本計画は、事業性において最大のコストパフォーマンス の合うものを目指した上で、本計画の構造は木造であることを考えています。

企業ブランドの向上

木を森を絶やすことなく 、未来に残していくために 。木造建築は「SDGs」や「ESG投資」でも企業価値を高められます 。 民間で建設する建築物で木造化 、木質化を図ることは 、今後この二つの流れにそうものとして評価されていくことが予想されます 。 木造化・木質化には、地球温暖化防止と持続可能な森林経営の下支えという二重の意味を持ちます 。 結果的に企業ブランドに新たな付加価値を形成することができます 。

減価償却について(耐用年数等に関する省令 別表第1店舗による)

木造は鉄骨造やコンクリート造に比べ減価償却に規定されている耐用年数が短く設定されています 。 企業としての 保有資産と税 との関係を考えると 、そのことが企業にとって有利に働きます 。

今回の計画で目指すSDGsの目標。

コストの上昇を抑える建築方式

計画地は準防火地域にあります。準防火地域は都市計画で指定される地域であり 、火災を防止するために比較的厳しい建築制限が行なわれる地域です(建築基準法62条) 。
※地上3階の建築物ではその制限は延べ面積によって次の3通りに分かれます 。
1)延べ面積が1,500平方メートルを超えるとき : 必ず耐火建築物とする
2)延べ面積が500平方メートルを超え 、1,500平方メートル以下のとき : 少なくとも準耐火建築物とする 3)延べ面積が500平方メートル以下のとき : 少なくとも3階建て建築物の技術的基準に適合する建築物とする (コストアップを抑える)

準防火地域の建築制限の比較。1)2)の使用に比べ3)の仕様が最も軽微であり、コストを抑えることが可能となる。

平面計画について

1、2階を主に執務空間 、3階を住空間と メリハリを持って計画する 事で建物構成の複雑さを回避しシンプルな平面計画を行なっています 。
執務空間は用途を規定せずにフレキシブルな構成とすると同時に 、柱梁等の構成を存分に建物空間に顕在化させ 、木漏れ日の中にいるような 環境を作り出しています。
3mごとに規定されたグリッドの存在により建物計画も様々な要望に合わせフレキシブルに計画可能です 。
均一グリッドとする事で施工性の向上も図ります 。
人と人のつながり 、価値観のつながりを建築としても表現していく事で 、新しい商品を生み出していく姿勢を表現しています。

1階平面図。街に開かれたオープンスペースとして計画することで様々な活用のアクティビティーを生む場としている 。
2階平面図。大きな吹抜けを介し、1階と緩やかにつながる。2階には執務スペース・セミナールームが配される。

本計画は、街や環境、人と人が良好な関係を保ちながら、またその姿勢が企業ブランドの向上につながるという持続可能な企業体制を目指す。その発信拠点となる事務所ビルの提案になります。